やりたいことを“事業”に変えるための第一歩
はじめに
「いつか起業したい。でも、何から始めればいいのか分からない」
そんな声を私はこれまで何百回と聞いてきました。
起業には、届け出や融資など“手続き”も必要ですが、一番大事なのは“想いを整理すること”です。
今回は、私が創業相談で必ず使っている「5つの質問」をご紹介します。
これに答えていくだけで、あなたの“起業の土台”が自然と見えてきます。
5つの質問
【質問1】誰に、どんな価値を届けたいですか?
事業は「相手ありき」です。自分のやりたいことだけではなく、**“誰のどんな悩みを解決したいか”**を明確にすることがスタートです。
たとえば:
「働くママに、夕方の安心できる居場所を提供したい」
「高齢者のIT不安を、やさしくサポートしたい」 この“誰に”と“何を”が言語化できると、チラシもHPも説明もスムーズになります。
【質問2】あなたはなぜ、これをやりたいと思ったのですか?
“原体験”や“価値観”を見つめ直すことで、ビジネスに魂が入ります。
「昔こういうことで困ったから」「こんな人を助けたいから」という思いは、共感される力になります。
創業支援の現場でも、事業計画書にこの想いが書けるかどうかで、金融機関や審査員の心の動きが変わることがあります。
【質問3】今、すでにできることは何ですか?
起業というと「新しいことを始めなければ」と思いがちですが、これまでの経験・スキル・人脈が活きる分野で始めた方が、成功率は格段に高まります。
元営業マンなら:営業代行や集客サポート
元主婦なら:子育て目線の教室、整理収納支援
趣味の釣りなら:釣りガイドやブログ講座 etc.
「自分には何もない…」と思う方こそ、棚卸ししてみると意外な強みが見つかります。
【質問4】誰に相談できますか?一緒に進めそうな人はいますか?
起業は孤独になりがちですが、相談相手がいるだけで、道のりはまったく違ってきます。
同じように起業した友人
起業支援の専門家
家族やパートナー
特に港区では、産業振興センターや創業アドバイザーの無料相談が充実しています。
「誰かに話す」ことで、自分の考えが整理され、具体的な行動に移せるようになります。
【質問5】最初の1歩として、明日できることは何ですか?
すべてが整うのを待っていたら、起業のタイミングは永遠に来ません。
大きな一歩ではなく、まず“小さな一歩”から始めましょう。
たとえば:
「港区の相談窓口に予約してみる」
「興味ある業界の本を買う」
「アイデアをメモに書き出す」
この“実行力”こそ、起業家にとって最大の資産です。
まとめ:起業準備=自分と向き合う時間
今回の5つの質問は、どれも「正解があるもの」ではありません。
でも、答えようとする過程で、あなたの中にある“起業の種”が確実に芽吹いていきます。
特別なスキルや資金がなくても、想いと小さな行動の積み重ねが、やがて大きなビジネスになる。
私はそんな人たちを、これまで何人も見てきました。