第12回:口コミと紹介がブランドを広げる ─ 信頼の連鎖を生む仕組み

目次

はじめに

「うちのお客様は、ほとんど紹介なんです。」
これは、長く続くスモールビジネスに共通する言葉です。

一方で、「広告を出しても反応が薄い」「SNSのフォロワーは増えたけど売上は変わらない」という声もよく聞きます。
実は、スモールビジネスが本当に頼るべきなのは、“広告”ではなく“信頼の連鎖”──つまり口コミと紹介なのです。

岩崎邦彦先生もこう語っています。

「スモールビジネスは“語られるブランド”を目指すべきである。」


口コミは“信頼の証”である

口コミの力は、単に「無料で広がる宣伝」ではありません。
それは、“信頼を可視化する証”です。

人は、企業の広告よりも「知人の言葉」を信じます。
しかも、口コミは“お金では買えない評価”として受け取られるため、他のどんなマーケティングよりも強い影響力を持ちます。

アメーラトマトも、広告より口コミで広がったブランドです。
「一度食べたら他のトマトに戻れない」「贈り物にしたらとても喜ばれた」──そんなリアルな声が、次の購入者を生みました。


口コミが生まれる3つの条件

1. “感情が動く体験”をつくる

人は“感動”したときに誰かに話したくなります。
つまり、口コミの起点は「心が動いた瞬間」にあります。

たとえば、

  • 想像以上のサービスを受けた
  • スタッフの気配りに驚いた
  • 商品に“物語”を感じた

これらはすべて、“語りたくなる体験”です。
スモールビジネスは大規模広告よりも、“小さな感動”を積み上げることに注力すべきです。


2. “語りやすい言葉”を用意する

口コミは、「お客様が他人に紹介するときの言葉」で決まります。
お客様がスムーズに伝えられる「共通のフレーズ」があると、口コミは一気に広がります。

アメーラトマトの場合、「甘いのに酸味がある」「まるでフルーツのようなトマト」という表現が自然に定着しました。
この“語りやすさ”が口コミの原動力になったのです。

あなたのビジネスでも、

  • 「一言で言うとどんなお店か?」
  • 「どんな人に勧めたいか?」
    を明確にし、その言葉を発信に組み込むことが大切です。

3. “紹介しやすい仕組み”をつくる

口コミは自然発生が理想ですが、「仕組み」で促進することもできます。

たとえば:

  • 紹介カードや紹介特典を用意する
  • SNSでハッシュタグを設定し、投稿しやすくする
  • 顧客の声をホームページで紹介する

「紹介したい」「投稿したい」と思ってもらうきっかけをつくることで、口コミは広がりやすくなります。

自然な口コミは、“小さな仕掛け”から生まれる。


紹介は“信頼のリレー”である

口コミが「体験の共有」だとすれば、紹介は「信頼のリレー」です。
お客様が自分の信用をかけて、あなたのビジネスを他人に勧めてくれる。
これほど価値のあるマーケティングはありません。

紹介が増えるということは、
「この人(この店)なら紹介しても安心」と思われている証拠。
つまり、紹介数は“信頼の量”でもあるのです。


まとめ ─ 語られるブランドへ

スモールビジネスが目指すべきは、“広告で知られるブランド”ではなく、“語られるブランド”です。

  1. 感情を動かす体験をつくる
  2. 語りやすいメッセージを整える
  3. 紹介しやすい仕組みを用意する

アメーラトマトのように、口コミによって広がるブランドは、広告費を使わずとも自然に成長していきます。
そして何より、“信頼される努力”を続けていること自体が、最大のブランド力なのです。

次回は「第13回:ブランドを守る ─ 信頼を損なわないためのルール」で、
口コミで広がったブランドを“継続して信頼される存在”に保つためのポイントを解説します。


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この記事を書いた人

「好きなことを仕事にする」起業家の挑戦を応援する、東京都港区の起業支援会社です。
起業の道をともに歩むパートナーとして、豊富な実務経験と支援実績をもとに、実践的な伴走支援を行っています。
クライアントの夢の実現に向けて、専門性と創造性を活かしながら全力でサポートいたします。

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