第5回:フランチャイズ本部の選び方──説明会で必ず聞くべき質問とは?
フランチャイズ起業で最も重要な意思決定は、**「どの本部(フランチャイザー)を選ぶか」**です。
どれだけオーナー自身が努力しても、本部選びを間違えると成功の可能性は大幅に低下します。
逆に、本部の力と価値を正しく判断できれば、成功確率は劇的に上がります。
では、どう選べばいいのでしょうか。
私は説明会に参加するとき、必ず次の質問をするようにアドバイスしています。
回答の内容だけでなく、答え方の誠実さ、数字の透明性、根拠の有無を見るのがポイントです。
① 直営店の比率と収益モデル
「直営店は何店舗あり、加盟店とどのような収益構造になっていますか?」
直営店が少ない本部は、現場の実態が把握できていない可能性があります。
また、加盟店より本部だけが儲かるモデルは要注意です。
② 既存加盟店の平均売上・平均利益
「平均月商・月間利益の実数字を教えてください。」
数字を濁す本部、理想値だけを語る本部は危険です。
実績の公開姿勢=信頼の証 です。
③ 過去3年の退店数とその理由
「閉店数とその理由は?」
退店理由は最重要情報です。
ここでごまかす本部は避けるべきです。
④ 本部の支援体制とSV人数
「SV(スーパーバイザー)は何店舗を担当していますか?」
担当店舗数が多すぎると、支援が形骸化します。
理想は 15~25店舗/1人 程度です。
⑤ 地域特性と競合分析の根拠
「なぜこの立地を提案するのですか?」
“データに基づく理由”が説明できるかどうかが非常に重要です。
⑥ 加盟者の属性と成功パターン
「どのようなオーナーが成功していますか?」
あなたに合うモデルかどうかが分かります。
成功モデルを再現できるかがカギです。
説明会で絶対にすべきこと
説明会は「本部の話を聞く場」ではなく、
「本部を見極める場」 です。
遠慮せず、疑問点はすべて質問してください。
数字の根拠を求める姿勢は、本部の本気度を炙り出します。
私はセブン‐イレブンで多くの加盟希望者に寄り添ってきましたが、
説明会の段階で “質問力が高い人ほど成功する” と強く感じています。
経営とは、情報を集め、判断し、行動する仕事だからです。
まとめ
本部選びは、成功の8割を決める。
ブランドの知名度や雰囲気ではなく、
数字、実績、支援体制、透明性を軸に判断してください。
次回は、
第6回:説明会で聞くべき「危険な答え」──すぐ撤退すべき本部の特徴
について解説します。
第4回:フランチャイズで失敗する人の5つの共通点
フランチャイズは、未経験者でも成功しやすい起業方法です。しかし残念ながら、すべての加盟店が成功するわけではありません。私がセブン‐イレブン時代に数百店舗を担当してきた経験から、失敗する人には明確な共通点があると断言できます。
逆に言えば、ここを理解し避けることができれば、成功確率は劇的に高まります。
失敗する人の共通点は、次の5つです。
① 自分で考えず、全部本部任せにする
フランチャイズは「仕組みを活かす」ビジネスですが、
「仕組みに乗せておけば勝手に儲かるわけではない」のです。
日々の数字、商品、お客様の声を自分で観察し、改善していく姿勢が不可欠です。
本部頼みで主体性がない人は必ず行き詰まります。
② 自己流に走り、成功モデルを崩してしまう
失敗する人ほど、開業してすぐに自己流にアレンジしたがります。
しかし本部のモデルは、膨大なデータと検証から作られた「勝つための型」です。
その型を崩せば、当然結果は安定しません。
成功する人は、まず型を徹底的に守ります。
③ 数字を見ずに感覚で経営する
「忙しいから売れているだろう」「お客様が多いから大丈夫」
こうした感覚経営は非常に危険です。
売上、客数、客単価、廃棄、人件費など、数字を見る習慣がない人は必ず経営を崩します。
数字は現実を映す鏡です。
④ 現場に立たず、店を任せきりにする
マネジメント型のビジネスとはいえ、現場を知らずに数字だけ追うのは危険です。
人材トラブル、接客品質、清掃状態──
現場に足を運ぶだけで改善点は数多く見つかります。
現場を見ないオーナーは必ず失敗します。
⑤ “人材”を大切にできない
フランチャイズの最大の成功要因は 人 です。
スタッフが笑顔で働ける環境を作れるかどうかが売上を左右します。
感謝や対話がなく、スタッフを消耗品のように扱うオーナーは長続きしません。
逆に、スタッフを大切にできるオーナーの店は驚くほど強いです。
まとめ
フランチャイズとは、
「仕組み × オーナーの姿勢」
この掛け算で成果が決まるビジネスです。
仕組みだけでは勝てません。
努力だけでも勝てません。
両方が揃って初めて成功します。
次回は、
第5回:フランチャイズ本部の選び方──説明会で必ず聞くべき質問とは?
をお届けします。
加盟先選びこそ、すべての結果を左右する最重要ポイントです。
第3回:なぜ50代の起業にフランチャイズが向いているのか
「このまま定年まで会社員として終えるべきか」「自分の力で仕事を作りたい」
そんな想いから起業を考える50代は、今とても増えています。
しかし同時に、最も現実を理解している世代でもあります。
若い頃のように体力勝負で突っ走るわけにもいかず、
失敗したときに時間的なリカバリーも難しい。
教育費・住宅ローン・老後資金という現実もあります。
だからこそ、50代が起業を検討するときに最も重要なのは、
「成功確率」 と 「再現性」 です。
その点で、フランチャイズは非常に相性の良い選択肢です。
では、具体的にどこが50代向きなのか。理由は5つあります。
① 失敗リスクを最小化できる
ゼロからの起業は、試行錯誤に時間も資金も必要で、失敗が重なれば精神的にも追い込まれます。
一方フランチャイズは、すでに結果が出ている「勝ちパターン」を使って事業を始められるため、立ち上がりの失敗を大幅に減らせます。
50代が恐れる「初期の大失敗」を避けられることは大きなメリットです。
② 組織経験が最大の武器になる
50代は、業界経験こそなくても
- 人材育成
- マネジメント
- コミュニケーション
- 数字感覚
- 問題解決力
こうしたビジネス基礎能力は若者より圧倒的に高い。
フランチャイズは「仕組みを実行する力」が成果を左右するため、
組織で培った経験こそ最大の競争優位 になります。
③ 安定的な収益設計ができる
本部から収支モデルが提示され、売上シミュレーションが可能なため、
将来の収入計画を立てやすく、家族の理解も得やすい。
ゼロからの創業では得られない安心材料です。
④ 孤独にならず相談できる環境がある
起業は孤独との戦いです。
しかしフランチャイズはスーパーバイザーなど本部支援があり、
壁にぶつかったときに相談できる相手がいるのは精神的にも大きい。
「独立はするが、孤立はしない」──これは50代起業にとって重要な要素です。
⑤ 体力型ではなく、マネジメント型で働ける
50代起業で失敗する最大の理由は、
「若い頃のスタイルをそのままやろうとして体力がもたない」ことです。
フランチャイズは、現場の手作業より
人材管理・教育・数字管理 に比重が置かれるため、
50代の強みと非常にマッチします。
まとめ
50代は、勢いより戦略、拡大より安定、量より質を重んじる起業が向いています。
その意味で、フランチャイズは非常に現実的で、成功確率の高い独立手段です。
「人生の後半戦を、自分らしく生きるための起業」
その第一歩として、フランチャイズは有力な選択肢になり得ます。
次回は、
「フランチャイズで失敗する人の5つの共通点」
について解説します。
成功だけでなく、失敗側から学ぶことが最も重要です。
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