第20回:「売り込まずに売れる」文章(セールスライティング)入門
~50代起業に必要なのは“優しさ”と“誠実さ”のある文章~
■「売り込む文章」は、50代起業に合わない
私は、創業支援の現場で多くの文章を見てきましたが、
50代起業において強引なセールス文章は逆効果です。
- 焦らせる
- 煽る
- 期限を切る
- 特典を連打する
- 今だけキャンペーン
- 圧のある訴求
こうした手法は若い世代には通用しても、
50代以上には「不信感」につながるだけです。
では、どうすれば売り込まずに売れるのか?
答えはシンプルです。
“相手の人生に寄り添う文章を書くこと”。
50代は経験が豊かで、直感的に「本物かどうか」を見抜きます。
だからこそ、
寄り添い・誠実・丁寧な文章が響きます。
■売れる文章の構造は「3つ」だけ
セールスライティングというと難しく思われますが、
実は構造はとてもシンプルです。
私は「安心して申し込まれる文章」は
次の 3ステップで書ける と考えています。
■① 共感(あなたの気持ちは分かります)
最初にすべきことは、相手の気持ちを代弁すること。
- 「最初の一歩が踏み出せない」
- 「やるべきことが多すぎて不安」
- 「自信が持てない」
- 「起業したい気持ちはあるのに、動けない」
こうした“心の声”を受け止める文章が、最初の鍵です。
50代の方は「気持ちに寄り添ってくれる人」を信頼します。
この共感パートで、一気に距離が縮まります。
■② 提案(あなたの未来を一緒に作ります)
次に、解決方法=あなたのサービスを紹介します。
しかし、ここでも売り込みは不要。
大切なのは、
「こう変われますよ」という未来を見せること。
例:
- 自分の強みが言語化できる
- 方向性が明確になる
- 最初の顧客が獲得できる
- 好きなことで自然体で仕事ができる
- 一人で悩む時間が減り、大きく前に進める
ここで読者は、
「この人に頼むと、自分はこう変われるんだ」
とイメージできるようになります。
50代は“未来が描けたとき”に決断できます。
■③ 安心(あなたは大丈夫です)
最後に必要なのは、
「あなたでも大丈夫」という安心材料です。
- 過去の事例
- お客様の声
- あなたの経歴
- サポート体制
- 返金やキャンセルポリシー
- FAQ
- あなたの価値観
特に50代の方は不安が強いので、
「安心材料の量」で申込み率が大きく変わります。
セールス文章は、
「売るため」ではなく
「不安を消すため」に書くもの
なのです。
■50代起業に向いているのは“静かに売れる文章”
強く売るのではなく、
静かに、柔らかく、
「この人なら安心だ」と思っていただく文章。
これを私は “静かに売れる文章” と呼んでいます。
特徴は以下の通りです。
- 丁寧な言葉遣い
- 寄り添いを示す表現
- 相手のペースを尊重
- 無理に煽らない
- 長期的な視点
- 誠実で嘘がない
50代のお客様から最も選ばれる文章は、
このタイプです。
■ご紹介:私が使っている“静かに売れる文章の型”
実際に私がサービスページで使っている構成をご紹介します。
✔ ① 読者の悩みを書く(共感)
「こんなことで悩んでいませんか?」
✔ ② あなたの気持ちは自然なもの(受容)
「その不安は、誰でも感じるものです。」
✔ ③ 解決策を提示(提案)
「私はこういう形でサポートできます。」
✔ ④ 実績・信頼の理由(安心)
「これまでこういう支援をしてきました。」
✔ ⑤ 得られる未来(希望)
「3ヶ月後にはこうなれます。」
✔ ⑥ メニュー説明
(ライト→スタンダード→プレミア)
✔ ⑦ 申込み方法(丁寧に案内)
この構成は、50代向けのサービスでは最も効果的でした。
■「あなたにお願いしたい」と言われる文章の共通点
強烈に売る必要はありません。
50代起業で求められる文章には、次の3つがあれば十分です。
■① 誠実さ
読み手は、文章から人柄を感じています。
誠実な文章は、読み手の心に届きます。
■② あたたかさ
冷たい文章は読まれません。
丁寧に、優しく、心のこもった言葉が必要です。
■③ 安心感
50代の方は、
「正しい」より「安心できる」を求めています。
文章は、あなたの人柄そのもの。
あなたらしい言葉で書けば、それが最強のセールス文章になります。
■まとめ──売るのではなく、“寄り添う文章”を書く
50代起業に必要なのは、
スキルより、テクニックより、
寄り添いの姿勢です。
- 売り込まない
- 煽らない
- 相手を急かさない
このスタイルが、結果として“売れる”につながります。
売り込まずに売れるのは、あなたの文章に“あたたかさ”があるから。
それが50代起業の最大の強みです。
📘 次回は
第21回:「得意分野を“商品化”する考え方」
ここから「強みの編集」に入り、
あなたの経験から「売れる商品」を作る方法をまとめます。
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