第22回:価格設定の考え方──50代起業の適正価格
~高すぎず、安すぎず。「続けられる価格」が最適解~
■価格は「価値」ではなく「関係性」で決まる
創業相談で最も多い質問の一つが、
「いくらにすれば良いですか?」
という価格設定の悩みです。
私はいつもこうお伝えしています。
“価格”は価値ではなく“関係性の深さ”で決まる。
同じサービスでも、
初めての人には高く感じ、
信頼関係が深まっている人には納得される。
50代起業は「関係性ビジネス」。
信頼が育つほど、価格は自然と受け入れられます。
■50代起業に最適な価格帯はここ
私は多くの50代起業家と伴走してきました。
その経験から、最も継続しやすい価格帯は次の通りです。
✔ ① 入口商品(ライトプラン):5,000〜15,000円
目的は「関係性を築く」「試してもらう」こと。
例:
- 体験コーチング 60分
- 起業相談 90分
- プロフィール添削
- ミニ講座
- 小冊子・PDF教材
この段階では利益を取ろうとしなくて大丈夫です。
最も重要なのは、
「あなたと1対1で話す機会」 をつくること。
✔ ② 中心商品(スタンダード):30,000〜70,000円/月
ここが50代起業の“核”となる価格帯です。
例:
- 3ヶ月伴走プラン
- 起業サポート
- 集客導線構築
- SNS発信習慣化プログラム
- 個別レッスン
3ヶ月で10〜20万円台になるケースが多いです。
この価格帯は、
- 高すぎて手が出ない
- 安すぎて不安
になりにくく、
最も成約率が高い層です。
✔ ③ プレミア商品(手厚いサポート):100,000〜300,000円
深い支援が必要な方向けの価格帯。
“少人数でしっかり支援したい”50代起業にはピッタリです。
例:
- 6ヶ月完全伴走
- 補助金サポート一式
- ビジネスモデル構築
- 継続コンサル
50代起業では、
「数を追わずに、深く関わる」方が成功します。
■価格は「あなたが疲れない」ことが最優先
価格設定の最も重要なポイントは、
あなたが疲れない・消耗しないこと。
たとえば、
- 低価格でたくさん受ける
- 値下げして無理な契約を取る
こうしたやり方は、必ず長続きしません。
50代起業の目的は
“お金”ではなく“持続可能な働き方”。
そのためには、
あなたのペース・体力・価値観にあった価格が必要です。
■価格は「あなたの人生エネルギー」への対価
価格を決めるとき、
私はこう考えています。
① そのサービスにどれだけ時間を使うか
② その人の人生のためにどれだけ関わるか
③ あなたが燃え尽きずに続けられるか
つまり、価格とは
あなたの人生エネルギーに対する対価です。
50代は体力も限られます。
だからこそ、
安すぎる設定はあなた自身が壊れてしまいます。
■失敗しない価格設定のコツ
これまで多くの方を支援してきて、
「価格で失敗するポイント」には共通点があります。
✔ ①「最初の価格を低く設定しすぎる」
最初に「安売り」すると、
後から値上げがしにくくなります。
最初は
“ちょうどいい価格”
からはじめることが大切です。
✔ ② 説明が先、価格が後
サービスメニューと同じですが、
価格を先に見せると必ず抵抗が生まれます。
文章の構成は
価値 → 内容 → 未来 → 期間 → 価格
の順番が必須です。
✔ ③ 「自分の基準」を持つ
相場を調べる方は多いですが、
最も重要なのは
あなた自身の基準
です。
- 1ヶ月に何人受けたいか
- 家庭と両立できるか
- あなたの収入の必要性
- 心地よい働き方
これらを満たす価格が“適正価格”です。
■価格は「お客様の覚悟」をつくる
ここが実は一番大切なポイントです。
適正な価格を払って来られた方は、
行動が早く、成果が出やすい。
逆に、
極端に低価格だと
- 行動しない
- 長続きしない
- 他人任せになる
という傾向が強くなります。
だからこそ価格は、
お客様が前に進むための“覚悟のスイッチ”。
値下げは、
お客様のためにもあなたのためにもなりません。
■まとめ──価格は「あなたらしい働き方」を守るためのもの
50代起業で大切なのは、
安売りでもなく、
高価格戦略でもなく、
あなたが疲れず、誠実に価値を届けられる価格。
- 入口商品:5,000〜15,000円
- スタンダード:30,000〜70,000円
- プレミア:100,000〜300,000円
これは単なる相場ではなく、
あなたとお客様の両方が幸せになる価格帯です。
価格は、あなたの働き方そのもの。
“適正価格”は、あなたとお客様の未来を守ります。
📘 次回は
第23回:「仕事の受け方──疲れずに長く続けるためのスタンス」
50代起業に必須の「仕事の受け方」・「線の引き方」・「無理しない姿勢」をまとめます。
「起業に関心がある」方へ
起業を考えているが迷っている。具体的にどうしたらよいかわからない。。。
そんなお悩みに、アドバイザーとして一緒に伴走します。
必要なのは、「少しの整理」と「最初の一歩」です。
私は港区で日々、創業者の伴走支援を行っています。
もし「自分の想いをどう形にすればいいか分からない」「制度の使い方がよくわからない」といった不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

