第29回：「自分らしさ」とは何か──50代からのスタイル確立
～“自分を生きる働き方”が、50代起業の成功をつくる～
■「自分らしさ」ほど曖昧で、しかし“本質的”なものはない
創業相談でよくいただく質問があります。
「自分らしい働き方って、どうやって見つければいいですか？」
これは、50代起業において最も深く、最も本質的なテーマです。
20代・30代は、
- トレンド
- スキル
- 競争
- 成果
こうした“外側の価値”が働き方を決めます。
しかし50代になると、
経済性やスキル以上に、
“自分はどう生きたいか”が働き方に直結する
ステージに入ります。
つまり、
「自分らしさ」を探すのではなく、思い出す作業 が必要になるのです。
■「自分らしさ」は“人生の3つの根っこ”から生まれる
私は、相談者の“自分らしさ”を見つけるとき、必ず次の3つを確認します。
■①大切にしてきた価値観（Value）
価値観とは、あなたの「譲れない部分」です。
- 誠実
- 丁寧さ
- 正直
- 成長
- 安心
- 人を支えたい
- 無理をしない働き方
- 正しくあること
- お客様を大切にする
- 学び続ける
価値観は、人生経験の中で自然と形作られています。
50代起業では、
価値観を軸に働くと心が疲れなくなる
という大きな特徴があります。
■②繰り返し選んできた行動（Behavior）
人は無意識のうちに「同じ行動」を取ります。
これは“自分らしさ”のヒントです。
- 人の相談に乗る
- 情報を整理する
- 説明が丁寧
- 聞き役になる
- よく調べる
- 安心を与える
- 計画を立てる
- 慎重に進める
- 人を励ます
- 肩の力を抜かせる
これらはすべて“あなたらしさ”。
あなたの行動の癖には、
あなたの価値がそのまま表れます。
■③人生で何度も向き合ってきたテーマ（Story）
50代の“自分らしさ”は、ストーリーに宿っています。
- 仕事での経験
- 挫折
- 成功
- 人生の選択
- 家族
- 価値観の転換
- 人生で大切にしてきたこと
こうしたストーリーが、
あなたの提供価値の根源になります。
例えば私自身、
- 起業支援
- 補助金
- 経営
- 伴走支援
- コミュニケーション
これらすべてが
「過去の経験」から自然とつながっています。
■自分らしさとは“戻ってくる場所”
多くの方は「自分らしさを探しにいく」ものだと思っていますが、
真実はまったく逆です。
自分らしさとは、“戻ってくる場所”。
- やりたいことをやった結果
- 嫌なことから離れた結果
- 自然体の選択をした結果
- 心が喜ぶことを続けた結果
- 大切なものを守った結果
最後に残る「核」のようなものが、
あなたの“自分らしさ”です。
■50代起業の本質は「自分の人生を編集し直すこと」
私は、50代起業を
「人生の総仕上げの編集作業」
だと考えています。
- 何を残すか
- 何を手放すか
- 何に時間を使うか
- 誰と働くか
- どんな働き方が心地よいか
- どんなペースなら続くか
- どんな人を支えたいか
これらを丁寧に整理すると、
自然と“あなたらしい働き方”が浮かび上がってきます。
■自分らしい起業とは「小さく・無理なく・誠実に」
50代起業の成功者に共通しているのは、
- 大きく狙わない
- 無理をしない
- 自分に合う人だけを大切にする
- 嘘をつかない
- 等身大のまま提供する
という働き方です。
だからこそ50代起業は強い
若さや勢いではなく、
- 深さ
- 誠実さ
- 安定感
- 温かさ
- 人生経験
これが“ブランド”になるからです。
■“自分らしさ”の見つけ方ワーク（3分でできます）
相談者にも必ずやってもらうシンプルなワークです。
■① 最近「これ好きだな」と思ったことを書き出す
仕事でも趣味でもOK。
■② 人に褒められたことを3つ書く
あなたが無意識にできることです。
■③ 仕事や人生で「ずっとやってきたこと」を書く
続いているものには必ず理由があります。
この3つを並べると、
驚くほど“あなたらしさ”が浮き彫りになります。
■まとめ──「自分らしさ」はすでにあなたの中にある
50代起業は、
何か新しいスキルを身につけるより、
自分の人生の中にすでにある宝を見つける作業。
- 価値観
- 行動の癖
- ストーリー
- 何度も選んできたこと
- 人生で大切にしてきたこと
- 自然と相談されること
- 苦にならないこと
これらすべてが“あなたらしさ”です。
自分らしさとは、あなたの人生をそのまま肯定すること。
その肯定こそが、50代起業の最大のブランドになる。
📘 次回はいよいよ最終章
第30回：「50代起業の未来──“自分の人生を生きる”働き方へ」
これまでの総まとめとして、50代起業の核心をお届けします。
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