事業計画書は“書類”ではなく“未来を形にする地図”です
はじめに
「事業計画書を書いてください」と言われて、手が止まってしまう方は少なくありません。
・何を書けばいいのかわからない
・将来の数字なんて予測できない
・頭の中はあるのに、文章にできない
でも安心してください。
私はこれまで、創業を目指す方々と一緒に百件以上の事業計画書をつくってきました。
最初は真っ白な紙からでも、きちんと整理すれば誰でも形になります。
今回は、私が現場で使っている「ゼロから書くステップ」をご紹介します。
事業計画書をゼロから書くステップ
ステップ①:まずは“箇条書き”でOK。思いつくことを書き出す
事業計画書は、いきなり清書しようとすると挫折します。
まずは「断片的なメモ」でOKです。
以下のような項目を、思いついた順に書き出してみましょう。
なぜこの事業をやりたいのか(原体験、想い)
誰に届けたいのか(対象顧客)
提供する商品やサービスの内容
強みや特徴(自分ならではの視点)
売上はどうやって作るのか(価格、販売方法)
必要なお金と使い道
スケジュール感(何月に何をやる?)
最初は“あちこちバラバラ”でも構いません。
書くことで、頭の中が整理され始めます。
ステップ②:5つの基本構成にまとめる
メモが出そろったら、次は以下の構成に沿って整理します。
この構成は、融資申請や助成金申請でもそのまま使えます。
セクション | 内容例 |
①自己紹介・経歴・創業動機・ビジョン | 創業者の強みや経験、背景、どのような事業にしたいか |
②事業概要 | 何を、誰に、どのように |
③ビジネスモデル | 売上はどう作られるか、収益構造 |
④市場・競合 | 想定顧客、ライバルとの差別化ポイント |
⑤計画(売上・資金・スケジュール) | 金額の見通し、必要経費、資金調達の計画 |
ここで大切なのは、**専門用語を使うよりも「わかりやすく伝えること」**です。
金融機関や審査員も、一般的なビジネスパーソンです。
ステップ③:数字のブロックは3パターンで組み立てる
「数字が苦手で…」という方のために、私はこの3つのパターンをよく使います。
① 売上の出し方
商品単価 × 月の販売数 × 12か月
例:5,000円 × 100人 × 12 = 年間600万円
②経費の項目例
・家賃(店舗・オフィス)
・広告宣伝費(HP制作、チラシなど)
・備品・機器購入費
・外注費(HP制作、ロゴなど)
・仕入原価(飲食・物販など)
③資金調達の構成例
(設備投資額+6か月分の運転資金)=(自己資金+融資)
例:300万円+180万円=150万円+330万円
必要資金と資金調達額が一致すること(上記例では480万円)が重要です。
この3ブロックを作るだけで、「資金計画」「収支計画」の土台ができます。
ステップ④:誰かに見せて“声に出して説明”してみる
文章がある程度まとまったら、人に話してみることがとても大切です。
理由は二つあります。
自分がよくわかってないとことは、うまく説明できない。
相手の反応によって、言葉の選び方がわかってくる。
港区では創業アドバイザーや中小企業診断士による無料の壁打ち相談が活用できます。
「一緒に整理してほしい」という方はぜひご活用ください。
実際の支援現場でのエピソード
50代で子育てを終えた主婦の方が、地域向けの料理教室で起業を考えていました。
最初は「事業計画なんて難しくて無理」とおっしゃっていましたが、私と一緒に“箇条書きメモ”からスタートし、少しずつ整理していくことで、最終的には信用金庫からの融資にも成功。現在は受講者が増え、月2回の開催でも黒字化しています。
まとめ:業計画書は“整理”と“想いの言語化”
業計画書は、融資や助成金のためだけではありません。
あなたの想いを、他の人と共有できる形にするツールです。
書きながら自分の考えが深まり、書き終わるころには、「私の事業はこうなんだ!」と自信が持てるようになります。
▶︎ 自分の事業を言葉にするお手伝い、いたします
「最初の書き出しに迷っている」「書いたけど自信がない」
そんな方には、私たち創業アドバイザーが一緒に事業計画を整理いたします。
私は港区で日々、創業者の伴走支援を行っています。
もし「自分の想いをどう形にすればいいか分からない」「制度の使い方がよくわからない」といった不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。