「どこに申し込めばいいか分からない」あなたへ
はじめに
起業するうえで多くの方がぶつかるのが、「資金」の問題です。
「自己資金だけでは不安…」「借りたいけど、審査が通るのか心配…」
そんな声をよくいただきます。
実は港区では、創業者が資金を調達しやすい仕組みが整っています。
今回は、初めての方向けに「信用金庫」「日本政策金融公庫(日本公庫)」「港区制度融資」
の違いと選び方、そしてスムーズな準備方法をご紹介します。
港区で創業融資の2本柱
港区で創業融資を受ける場合、主に以下の2つの選択肢があります。
種類 | 特徴 | 融資額の目安 |
日本政策金融公庫 | 国の機関。創業者向け融資に強く、実績豊富 | 300万~1,000万円程度 |
港区制度融資(信用金庫利用) | 港区が利子補給・保証料補助を行う | 200万~1,500万円程度 |
上記以外にも「プロパー融資」といわれる信用保証協会の保証を付けずに銀行や信用金庫などの金融機関が独自の判断で貸し出す融資もありますが、一定の信用力がある企業・個人事業主が対象となり、利子もやや高めとなるため、創業融資としては上記の2つがおススメです。
1. 日本政策金融公庫の創業融資とは?
日本政策金融公庫(略称:日本公庫)は、国が運営する金融機関で、創業支援に特化した融資メニューを多数持っています。
特徴:
・無担保・無保証でも借りられる
・金利は2~3%前後
・「自己資金要件」は(融資額の1/3程度が目安)
・起業前(登記前)でも申請可能
審査で見られるポイント
・事業計画書の完成度
・起業の動機や経験
・自己資金の有無と金額
・売上・利益計画の妥当性
必要書類
創業計画書(日本公庫フォーマットあり)
見積書(設備購入がある場合)
履歴書、預金通帳のコピーなど
ワンポイント
「なぜこの事業で成功できると思うのか?」というストーリーと根拠を丁寧に説明することが通過のカギです。
2.信用金庫×港区制度融資とは?
港区では、信用保証協会、地域の信用金庫と連携した「制度融資(あっせん融資)」が整備されています。
特徴
①港区が利子の一部または全額を補助
②信用保証協会月の融資で民間より通りやすい傾向
③使える金融機関:さわやか信金、芝信用金庫など(指定あり)
申請の流れ(概要)
港区の産業振興センターに相談
信用金庫と面談・事業計画提出
信用保証協会の審査
融資実行(利子補給あり)
よくある質問
Q:金利はどれくらいですか?
A:通常は2%前後ですが、港区の利子補給で実質0%〜1%以下になるケースもあります。
3. 日本公庫と信用金庫、どう選ぶ?
観点 | 日本政策金融公庫 | 信用金庫(制度融資) |
審査スピード | 比較的早い(申請後3週間程度) | 保証協会審査があり1.5~2か月 |
金利 | 2~3% | 0.5% |
担保・保証人 | 不要の場合も多い | 原則保証人不要。ただし信用保証料あり |
雰囲気 | フォーマル | 地元密着で相談しやすい |
※日本政策金融公庫と信用金庫(制度融資)の並行申請も可能です。
4. スムーズに融資を受けるための5つの準備
- 事業計画書の完成度
→ 見栄えより中身!「誰に、何を、どう売るか」が明確に。 - 自己資金の見せ方
→ 預金通帳に「使ってない貯金」として明確に残しておく。 - 見積書の準備
→ 設備やホームページ制作など、資金用途を明確化。 - 面談対策
→「なぜあなたがこの事業を成功させられるのか?」を一言で。 - 申請の順番とスケジュール
→ 設備投資目的での融資の場合、融資実行後に支払いをする必要がある。時系列の整理が重要。
実際の支援事例から:人材紹介会社の創業融資
40代男性の方が、人材紹介業で独立を目指していました。
自己資金は500万円ありましたが、スタートアップに必要な広告費やオフィス投資のために700万円を調達。
支援のポイント:
日本公庫と信用金庫を同時に申請
信金は港区制度融資を利用し、利子補給で金利負担を抑制
事前に面談練習を行い、安心して挑めた
結果、両方の融資に通過し、スムーズな立ち上げと黒字化に成功されました。
まとめ:「借りる=怖い」ではなく「事業を育てる選択肢」
創業融資は、決して借金の恐怖ではなく、“事業を加速させるためのツール”です。
大切なのは「借りる準備を整えること」。
港区では、その準備段階から相談に乗ってくれる体制が整っています。
▶︎ 「どこに相談すればいいかわからない」方へ
信用金庫の選び方、日本公庫との併用、申請のタイミングなど、
個別のご相談には創業アドバイザーとして丁寧に対応しております。
私は港区で日々、創業者の伴走支援を行っています。
もし「自分の想いをどう形にすればいいか分からない」「制度の使い方がよくわからない」といった不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。