自由な働き方の裏側にある、ゆる起業家のリアルな悩み

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ゆる起業良かったことと悩み

「生活のため」よりも「自分らしく働くため」に起業する“ゆる起業”。
前回はゆる起業家の売上や収入をご紹介しました。

今回は、ゆる起業家の課題を見てみましょう。

資料の出典は日本政策金融公庫 総合研究所調査「ゆるやかな起業 の実態と課題」です。

起業してよかったことは「自由」に仕事ができたこと

起業してよかったことは?という問いに、もっとも多い回答は「自由に仕事ができたこと」で60.9%。これは通常の起業家(57.1%)を10%以上 上回っています(図-26)。そのほか、「時間や気持ちにゆとりができた」(35.0%)や 「人や社会と関わりをもてた」(29.5%)などが、起業家の割合を上回っています。一方で、「収入が予想通り増えた」(8.6%)や「自分が自由に使える収入を得られた」(23.0%)、「収入が予想以上に増えた」(8.5%)などの割合は、起業家に比べて低くなっています。
「自由に仕事ができた」が最も多いのは、売上や拡大よりも、精神的なゆとりや自己裁量を優先するゆる起業家の価値観を反映しています。

「売り上げの安定的な確保」や「けがや病気になった場合の対応」が課題

事業を行ううえで問題だと感じていることは、「売り上げを安定的に確保しづらい」が53.0%と最も多く、「けがや病気になった場合の対応が難しい」が31.9%と続いています(図-27)。
これらの割合は、起業家と比べても高くなっています。そのほか、「相談相手がいない」(21.0%)などが起業家の割合を上回っています。
「売上の安定的な確保」については、起業前から小さな顧客リストを作っておくことや、収益源を2〜3本用意することが有効です。
「相談相手がいない」については、まずは公的な経営相談サービスを探してみるとよいです。

「税務・法律関連の相談制度の充実」を望む人が多い

起業の際に役立った支援は、「特にない」との回答が52.2%と大半を占めます。(図-28①)。
独力で順調に立ち上げられた方が多いということのようです。
次いで「税務・法律関連の相談制度の充実」が21.8%「技術やスキルなどを向上させる機会の充実」が17.3%と続いています。
今後、事業を継続するために必要だと思う支援についても、「特にない」が43.2%と最も多く、次いで「税務・法律関連の相談制度の充実」(24.1%)の順となっています。(図-28②)。
「けがや病気などで働けないときの所得補償制度の充実」が、21.5%と起業の際(8.1%)から10%ポイント以上増加し3番目になっており、起業家の割合と比べても高くなっています。そのほか、「同業者と交流できるネットワーク等の整備」(16.4%)などが、起業家の割合を上回っています。

まとめ

ゆる起業家にとって「売り上げの安定的な確保」や「けがや病気になった場合の対応」が課題で、事業継続のために「けがや病気などで働けないときの所得補償制度の充実」を望む人も多いようです。
ゆる起業家は、自由度の高い働き方を楽しみつつも、健康や収入の安定といった現実的な課題に直面しています。
これらの課題を早めに認識し、準備しておくことが、長く続けるためのカギになります。

次回は『ゆる起業家の満足度と総まとめ』です。

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この記事を書いた人

「好きなことを仕事にする」起業家の挑戦を応援する、東京都港区の起業支援会社です。
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