ゆる起業vsガチ起業。特徴と選び方の総まとめ

目次

ゆる起業かガチ起業か

「生活のため」よりも「自分らしく働くため」に起業する“ゆる起業”。
前回はゆる起業家の満足度をご紹介しました。

今回は、これまで見てきたゆる起業家の実態と課題のまとめです。ガチ起業と比較して特徴をつかみ、自分に合うスタイルなのか参考にしてください。

資料の出典は日本政策金融公庫 総合研究所調査「ゆるやかな起業 の実態と課題」です。

その他の起業家に比べて女性やシニアの割合が高い

性別にみると、「女性」の割合が35.0%。また、年齢別にみると、「50歳代」以上の割合がガチ起業家と比べて相対的に高く、特に「60歳代」が約3割と高くなっています。

→ゆる起業は、ライフスタイルの自由度や経験の活用を重視するため、キャリアの後半を迎えたシニアや、家庭・地域活動と両立したい女性に選ばれやすい傾向があります。

従業者規模は小さく、月商も相対的に低い

 従業者規模が「1人(本人のみ)」の割合は、74.8%とガチ起業家(63.3%)と比べて高くなっています。また、半数以上の平均月商が「20万円未満」で、その割合はガチ起業家(29.0%)を大きく上回っています。75%以上が事業以外からも収入を得ており、また、世帯収入に占める事業収入の割合も、「50%未満」が66.1%となっています。

→規模拡大よりも、自分でコントロールできる範囲で事業を続ける意識が強く、大きな投資やリスクを避けるスタイルが特徴です。

起業前と比べて労働時間は短縮

75%以上が、「自宅の一室」または「自宅に併設」した場所を主な事業所としており、その割合はガチ起業家(59.1%)と比べて高くなっています。1週間当たりの労働時間が30時間未満の割合は57.7%で、43.7%が起業前と比べて労働時間が「減少した」と回答しています。

→働く時間を減らしても事業を成り立たせることができ、ワークライフバランスを重視した働き方が実現しやすい形態です。

自身のネットワークを生かして仕事を受注

仕事の受注経路として最も多く挙がった回答は「友人・知人の紹介」(37.4%)で、その割合はガチ起業家(32.5%)と比べても高く。一方で、「訪問や電話などによる直接の営業活動」(21.3%)などの割合は、相対的に低くなっています。
→積極的な営業活動よりも、これまでの人脈や信頼関係を活かすことで安定的に仕事を得るケースが多く、営業コストや負担が少ないのが特徴です。

事業がうまくいかなくなっても困らない人のほうが多い

事業がうまくいかなくなった場合も「困る」とする割合は54.7%で、その他の起業家の83.0%を大きく下回っています。

→副収入や年金など、生活の基盤が事業以外にもあるため、過度なリスクを取らずに起業に挑戦できる環境を持つ人が多いことを示しています。

「売り上げの安定的な確保」や「けがや病気になった場合の対応」が課題

事業を行ううえでの問題としては「売り上げを安定的に確保しづらい」(53.0%)に次いで「けがや病気になった場合の対応が難しい」(31.9%)の割合が高くなっています。

→時間や規模の制約から売上が不安定になりやすく、また個人事業主としての健康リスク対応が十分でないケースが多いため、事前の備えが重要です。

満足度は総じて高い

収入に関する満足度は低いが、仕事のやりがいや私生活に関する満足度はガチ起業家や勤務者に比べて高く、総合的な満足度も「満足」が69.3%と、ガチ起業家(56.1%)や勤務者(41.0%)を上回る

→収入は控えめでも、自分の裁量で働き方を選び、私生活とのバランスを取れるため、総合的な幸福度が高くなりやすい働き方といえます。

ゆる起業vsガチ起業総まとめ

ゆる起業とガチ起業の総まとめです。あなたはどちらのタイプですか?

項目ゆる起業ガチ起業
目的自由ややりがいを重視。生活費全額を事業で賄う必要がない場合も多く、精神的余裕がある。売上や事業拡大を重視。収入で生活を支える必要が高く、成長への投資意欲も大きい。
労働時間短めで柔軟。1週間30時間未満が半数以上で、私生活との両立がしやすい。長時間・集中型。事業初期は特にフルタイム以上の稼働が必要になりがち。
収入満足度低めだが納得感あり。収入より働き方や時間の自由を優先する傾向。高めを目指す。生活水準の向上や利益最大化が満足度に直結することが多い。
受注経路人脈中心。友人・知人の紹介や既存ネットワークからの依頼が多い。営業・マーケティング重視。新規顧客開拓や広告投資で販路を広げる。
リスク許容度低リスク志向。事業が止まっても生活への影響が小さいため、挑戦しやすい。高リスク許容。事業が生活の基盤であるため、失敗時の影響も大きい。
課題売上安定の難しさ、健康リスク対応の不足が課題。競争激化への対応、資金繰りや人材確保など経営全般の負担が課題。
総合満足度高い。やりがいと私生活の両立がしやすく、長く続けやすい。中~高。収入や事業拡大の達成感はあるが、負担やストレスも大きい。

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この記事を書いた人

「好きなことを仕事にする」起業家の挑戦を応援する、東京都港区の起業支援会社です。
起業の道をともに歩むパートナーとして、豊富な実務経験と支援実績をもとに、実践的な伴走支援を行っています。
クライアントの夢の実現に向けて、専門性と創造性を活かしながら全力でサポートいたします。

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