補助金入門 第2回:補助金活用のメリット・デメリット

はじめに

「補助金を活用したいのですが、どんなメリットがありますか?逆にリスクや注意点は?」——起業相談で必ず出る質問の一つです。補助金は返済不要であるため、多くの起業家にとって魅力的な資金調達手段に見えます。しかし、実際には大きな利点とともに、思わぬ落とし穴も存在します。本記事では、補助金を活用するメリットとデメリットを整理し、起業家が現実的な判断を下せるように解説します。


補助金活用のメリット

1. 返済不要で自己資金を温存できる

補助金最大のメリットは「返済不要」であることです。借入金のように毎月の返済負担がないため、事業のキャッシュフローを圧迫しません。その分、自己資金を運転資金として確保できるので、資金繰りに余裕が生まれます。

2. 新しい挑戦に取り組みやすい

「販路拡大のための広告費」「新商品の試作品開発」「業務効率化のためのシステム導入」など、リスクが伴う投資に補助金を充てられるのは大きな魅力です。自腹では躊躇する取り組みも、補助金を使うことで思い切って挑戦できます。

3. 信頼性が向上する

補助金は審査を経て採択されるため、「事業計画が公的機関に認められた」という信頼性を獲得できます。これは金融機関から融資を受ける際や、取引先に対してもプラスの効果を持ちます。

4. 専門家支援を受けるきっかけになる

補助金の申請では事業計画書の精度が求められるため、多くの場合、中小企業診断士や税理士など専門家のサポートを受けます。これを機に外部の視点を取り入れられるのもメリットの一つです。


補助金活用のデメリット

1. 後払い方式による資金繰りリスク

補助金は「先に支出→後で精算」という仕組みです。たとえば100万円の補助金を受けられるとしても、まずは自己資金や借入で対象経費を支払う必要があります。手元資金が不足していると、事業そのものが回らなくなるリスクがあります。

2. 書類作成・報告の手間が大きい

補助金の申請は想像以上に事務作業が多く、申請書類の準備、見積書・領収書の保存、実績報告書の提出などが求められます。書類不備で不採択や返還になるケースもあり、事務負担は軽視できません。

3. 採択率の問題

補助金は公募制であり、すべての応募者が受けられるわけではありません。採択率は制度によって20〜50%程度にとどまります。「計画通りに補助金がもらえなかった」場合の資金計画も用意しておく必要があります。

4. 対象経費が限定される

補助金で認められるのは「事業成長に資する費用」のみです。家賃や人件費の全額など、日常的な運営コストは対象外の場合が多く、用途の自由度は低いです。

5. タイミングが合わないこともある

補助金には募集時期があり、自分の事業スケジュールと合わないこともあります。「今すぐ投資したいのに次の公募が半年後」というケースは珍しくありません。


メリットとデメリットをどう活かすか

補助金は万能ではありません。

  • メリットを最大化するには
     補助金を「新しい挑戦」や「成長の加速」に使うことです。既存業務の穴埋めではなく、売上や利益を伸ばすための投資に充てるのが本来の使い方です。
  • デメリットを回避するには
     補助金に頼りすぎず、「もらえなくても事業が進む」体制を整えることが大切です。資金繰りに余裕を持たせ、融資や自己資金との組み合わせでリスクを分散しましょう。

まとめ

  • 補助金は、返済不要で信頼性を高め、新しい挑戦を後押ししてくれる強力な制度です。しかし、後払い方式・事務負担・採択率の問題など、安易に依存すると危険な側面もあります。
  • 起業家にとって大切なのは、補助金を「もらえるかどうか」ではなく「どう活用すれば事業を前進させられるか」という視点です。補助金を手段として位置づけ、自己資金や融資と組み合わせて戦略的に利用することが、持続可能な経営への第一歩となります。


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この記事を書いた人

「好きなことを仕事にする」起業家の挑戦を応援する、東京都港区の起業支援会社です。
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