第14回:ブランドの再構築 ─ 時代に合わせて進化する勇気

目次

はじめに

「うちは昔からこのやり方でやってきた。」
長く続く会社ほど、この言葉をよく口にします。
確かに、変えないことには価値があります。

しかし、岩崎邦彦先生はこうも言っています。

「変えないことが信頼を生むが、変えないことがリスクになる時代でもある。」

つまり、**“軸は変えずに、表現を変える”**ことが、スモールビジネスに求められる時代になったのです。


ブランドは「守るもの」から「進化するもの」へ

ブランドの目的は“過去を守ること”ではなく、“未来に選ばれ続けること”。
そのためには、時代や顧客の変化を読み取り、柔軟に進化する必要があります。

アメーラトマトも例外ではありません。
創業当初から「味の良さ」という核を守りながらも、

  • 新しい流通チャネルへの展開(百貨店・オンライン販売)
  • SNSによる情報発信
  • サステナブルな栽培法への転換

など、時代に合わせて“伝え方と仕組み”をアップデートしてきました。

変化とは、「軸を磨き続ける行為」である。


「軸を残して変える」ための3つのステップ

1. 核となる価値を明確にする

まず、「何を変えてはいけないか」を明確にすること。
それがブランドの“芯”になります。

アメーラトマトの場合、それは「糖度と味へのこだわり」。
この部分を守り抜いたからこそ、他の要素を自由に変えることができたのです。

あなたの会社でも、「顧客があなたを選ぶ理由」は何かを整理しておきましょう。


2. 顧客の変化を観察する

時代が変われば、顧客の価値観も変わります。
たとえば、

  • 若年層は“環境や社会性”を重視する
  • SNSでは“映える見た目”が購入のきっかけになる
  • 都市部では“体験型”の消費が増えている

アメーラトマトも、ただ「甘いトマト」ではなく、
「自然と共生する高品質農産物」としてメッセージを更新しています。

スモールビジネスも、“顧客が何に共感しているか”を常に観察し、発信を磨き直すことが大切です。


3. 変化を小さく試す

変化は大きくなくていい。
むしろ、小さく試して、うまくいったものを広げる方がリスクが少ないのです。

たとえば、

  • SNS投稿のトーンを少し変えてみる
  • 新しい顧客層向けに限定商品を出してみる
  • デザインを刷新して、反応を測る

アメーラトマトのパッケージも、最初は“限定流通版”でテストを行い、好評を得て全体に展開しました。

“変化の検証”が、ブランドの進化を安全に導く。


「変えない信念」と「変える柔軟さ」

ブランド再構築の本質は、「どこを変えて、どこを残すか」を見極めることです。
これは、会社の価値観を再確認する絶好の機会でもあります。

岩崎先生は、静岡の中小企業支援でこう指摘しています。

「変わらない信念があるからこそ、変える勇気が持てる。」

つまり、軸を持たないまま変えると“迷走”になりますが、
信念を持った上での変化は“進化”になるのです。


まとめ ─ 進化し続けるブランドであるために

スモールビジネスが時代に合わせて再構築を行う際のポイントは、次の3つです。

  1. 変えてはいけない“価値の核”を定める
  2. 顧客の変化を敏感にキャッチする
  3. 小さく試しながら柔軟に進化する

ブランドは固定されたものではなく、生きている存在です。
変化を恐れず、学び、挑戦を続ける姿勢こそが、お客様の信頼を深めていきます。

「ブランドとは、“変わらずに進化する力”である。」

次回は、「第15回:スモールビジネスのブランドストーリー ─ 物語で伝えるマーケティング」へ。
あなたの会社の想いを“物語”として伝える方法を解説します。

「起業に関心がある」方へ

起業を考えているが迷っている。具体的にどうしたらよいかわからない。。。

そんなお悩みに、アドバイザーとして一緒に伴走します。

必要なのは、「少しの整理」と「最初の一歩」です。

▶︎ 迷っているあなたへ:無料相談をご活用ください

私は港区で日々、創業者の伴走支援を行っています。

もし「自分の想いをどう形にすればいいか分からない」「制度の使い方がよくわからない」といった不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「好きなことを仕事にする」起業家の挑戦を応援する、東京都港区の起業支援会社です。
起業の道をともに歩むパートナーとして、豊富な実務経験と支援実績をもとに、実践的な伴走支援を行っています。
クライアントの夢の実現に向けて、専門性と創造性を活かしながら全力でサポートいたします。

目次