はじめに
SNSが主流の時代、情報は“広告”ではなく“信頼”によって広がります。
岩崎邦彦先生はこの点をこう指摘しています。
「小さな会社のメディア戦略は、“発信”ではなく“共感の拡散”である。」
つまり、大企業のように大量の広告を打つのではなく、信頼できる小さな発信を継続することが、スモールビジネスにおける最も効果的なメディア戦略です。
SNSでの発信=「信頼の見える化」
SNSを単なる宣伝ツールと捉えると、すぐにフォロワー数に一喜一憂してしまいます。
しかし本来の目的は、“信頼の可視化”です。
- お客様との関係
- 日々の仕事の姿勢
- 失敗からの学び
- 感謝の気持ち
こうした「等身大のストーリー」を発信することで、フォロワーは人として信頼できると感じるのです。
岩崎先生の言葉を借りれば、
「SNSは、誠実さを継続的に証明するメディアである。」
スモールビジネスに適した3つのメディア戦略
1. “顔の見える投稿”で人間味を出す
スモールビジネスの強みは“人の温度”。
商品よりも、「誰が、どんな想いでやっているのか」を伝えることが大切です。
たとえば:
- 代表やスタッフの写真を添える
- 現場や製造の裏側を見せる
- お客様との交流エピソードを紹介する
アメーラトマトのInstagramも、生産者の笑顔や畑の様子を発信することで、“信頼のブランド”を築いています。
2. “価値を共有する投稿”で共感を生む
SNSで成功しているスモールビジネスは、売り込みではなく“学びや気づき”を提供しています。
たとえば:
- 「○○を長持ちさせる方法」
- 「今日の仕入れで感じた小さな発見」
- 「この仕事をしていて嬉しかった瞬間」
こうした投稿がフォロワーにとって“価値ある情報”になり、
「この人から買いたい」「この会社を応援したい」という気持ちを育てます。
SNSは“売る場”ではなく、“信頼を育てる場”。
3. “お客様の声”を発信する
第三者の言葉は、どんな広告よりも強い説得力を持ちます。
お客様のレビューや体験談を丁寧に紹介することで、信頼の輪が広がるのです。
アメーラトマトも、「贈ったら喜ばれた」「子どもが笑顔になった」などの声を掲載。
それが次の購入者の共感を呼びました。
スモールビジネスでも、
- SNSのコメントを引用して紹介
- 写真付きで「お客様の声」を投稿
- 定期的に“ファンの声”特集を実施
といった工夫で、“顧客とともに発信するメディア”を育てましょう。
SNS発信で失敗しないための3つの心得
- “数字”より“関係”を重視する
フォロワー数よりも、コメントやDMのやり取りを大切に。 - “毎日少しずつ”継続する
頻度よりも「定期的な発信リズム」を守る。 - “らしさ”を保つ
トレンドを追いすぎず、自分たちのトーンを崩さない。
岩崎先生はこう述べています。
「発信とは、自分の哲学を少しずつ言葉にしていく作業である。」
メディアを“発信”から“関係づくり”へ
SNSやブログは、“発信”で終わらせるのではなく、“対話の入り口”として活用することが大切です。
コメントに返信する、質問に答える、いいねを返す──。
この一つひとつの行動が、「顔が見える関係」を生み出します。
スモールビジネスにとって最も効果的なPRとは、**“発信者である前に、対話者であること”**です。
まとめ ─ 信頼を広げるデジタルの力
スモールビジネスがSNS時代に成功するためのメディア戦略は、次の3つです。
- 人の温度を伝える投稿(人柄が見える)
- 価値を共有する発信(学び・気づきを届ける)
- お客様と一緒に発信する(共感を広げる)
アメーラトマトのように、“誠実な日常”を発信し続けることで、信頼が積み重なり、ブランドが自然に拡散していきます。
「信頼は、デジタルでも“人の温度”で伝わる。」
次回は、「第29回:メディアミックス戦略 ─ オンラインとオフラインをつなぐブランド体験」で、
SNSとリアル店舗・イベントを組み合わせた“ハイブリッド型マーケティング”を紹介します。
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