第12回:50代起業で失敗しない固定費の削り方
~ビジネスを“長く続ける”ための最重要スキル~
■売上ではなく「固定費」で失敗する
私は創業支援の現場で数多くの相談に乗っていますが、
50代起業で失敗する原因の多くは「売上不振」ではありません。
実は、
「固定費が高すぎて、ビジネスが続けられなくなる」
これが最も多い理由です。
固定費は、
- 家賃
- 通信費
- サブスク
- 人件費
- 各種の維持費
など、毎月勝手に出ていくお金のこと。
売上がゼロでも、固定費は容赦なくかかります。
だからこそ、50代起業は
“固定費を制した人が勝つ”
と言っても過言ではありません。
■①「オフィスを構えない」のが鉄則
50代起業で最も危険なのが、
最初からオフィスを借りること
です。
オフィスを契約すると、
- 家賃
- 共益費
- 敷金礼金
- 光熱費
- 椅子や机などの備品
などが一気にかかります。
私は相談者の方にいつもこう言っています。
「オフィスがなくても起業できます。むしろ、その方が成功しやすいです。」
現代の働き方では、
- 自宅
- コワーキングスペース
- カフェ
- 公共施設の会議室
- オンライン(Zoom/Meet)
を使えば、十分に仕事ができます。
最初の1年は、
“場所を持たない”ことが最大の固定費削減策
です。
■② サブスクの“見える化”を徹底する
サブスクは便利ですが、
解約を忘れると「ゆっくり資金を削る敵」になります。
- ドメイン
- サーバー
- Canva
- ChatGPT
- Microsoft 365
- Dropbox
- 各種アプリの月額課金
など、知らないうちに積み上がっていきます。
私は、起業初期には月額1万円以内に抑えることを推奨しています。
やるべきことはシンプルです。
① 現在契約しているサブスクをすべて書き出す
② 毎月必ず使っているものだけ残す
③ その月に一度も使わなかったものは解約
これだけで、毎月1〜2万円の削減になる方もいます。
■③ 高額な“見栄の固定費”を持たない
50代起業で起こりがちなのが、
「ビジネスらしく見せたい」
という気持ちによる無駄な固定費です。
- 高級な名刺
- 高いスーツ
- 高額会費のビジネス交流会
- 月額費が高いクラウドサービス
- 立派なオフィスチェア
- 不要な印刷物
これらはすべて、なくても大丈夫なものです。
私は独立以来、
高価な名刺も、高額な交流会も、立派なオフィスも必要だと感じたことはありません。
むしろ、
しっかり価値を届ける人は、余計な飾りはいらない
と感じています。
■④ 固定費は「支払いルール」を決めれば削れる
固定費削減には、ルール化が効果的です。
私は次のルールを徹底しました。
✔ ルール1:月額は1万円以内
それを超えるものは必ず理由を考える。
✔ ルール2:年払いは慎重に
継続の確信がなければ、年契約はしない。
✔ ルール3:使わない月が1ヶ月続いたら即解約
迷ったら「解約側」に倒す。
✔ ルール4:固定費より「変動費」を増やす
広告費や教材費など、使った分だけ価値が返ってくる支出に回す。
このルールを守るだけで、
毎月の固定費は驚くほど軽くなりました。
■⑤ 固定費が軽いと、ビジネスは続く
私は常にこう考えています。
「起業の勝者は、長く続けた人。」
固定費が軽いと、
- 売上ゼロでも焦らない
- 精神的に安定する
- 判断が冷静になる
- お客様に誠実に向き合える
- チャレンジしやすくなる
という好循環が生まれます。
反対に、固定費が重いと、
- すぐ焦る
- 無理な営業をする
- 自分の価値を安売りする
- 長く続けられない
という悪循環に陥ります。
50代起業の本質は、
“続けられる設計”ができるかどうか。
そのための鍵が、固定費です。
■まとめ──固定費を制する者が、50代起業を制する
固定費は、ビジネスの土台です。
- オフィスはいらない
- サブスクは必要最小限
- 見栄の支出はしない
- ルールを決めて管理する
これらを実践するだけで、
年間数十万円以上の差が生まれます。
そして何より、
固定費が軽いと“心が軽くなる”。
心が軽いと、挑戦ができる。
挑戦できるから、成長できる。
固定費は、ビジネスだけでなく人生の重さも左右する。
50代起業は、
「稼ぐため」より「続けるため」の経営スタイルです。
その第一歩が、固定費を見直すことなのです。
📘 次回は
第13回:「最初の5人の顧客をどう獲得するか」
起業初期に最も重要な“最初の顧客づくり”について体系的にまとめます。
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