第14回:信頼されるプロフィールのつくり方
~50代起業の最大の武器は“生きてきた時間”である~
■「プロフィール」は、50代起業の最重要ツール
私は、創業相談の現場で常に実感しています。
50代の起業は、プロフィールで決まる。
なぜなら、
サービス内容よりも先に見られるのが「あなた」という人間だからです。
20代・30代は“実績”で勝負する場面が多いですが、
50代起業の強さは、
- 経験
- 人柄
- 歩んできた道
- 価値観
- 生き方
にあります。
つまり、
プロフィールは“履歴書”ではなく“物語”である。
ここを整えるだけで、信頼度と成約率は驚くほど高まります。
■第一印象を変える“3つの基本要素”
信頼されるプロフィールには、次の3つが必要です。
①「何者か」が一瞬で伝わる肩書き
肩書きは、経歴の羅列ではありません。
相手に理解される“シンプルな言葉”であるべきです。
私の場合、
「港区の創業支援に強い中小企業診断士」
と言うと、相手はすぐに役割を理解してくれます。
肩書きは、
「専門性 × 対象 × 地域(または課題)」
の組み合わせで考えると伝わりやすいです。
②「なぜこの仕事をしているか」が伝わる理由
50代の起業では、“想い”が最も価値になります。
- 自分が苦労した経験
- 人生の転機
- 大切にしている価値観
- この仕事にたどり着いた背景
これらを自然な文章で伝えると、
同じ悩みを持つ人に深く刺さります。
③「誰の役に立てるか」が明確であること
プロフィールを読んだ相手が、
「あ、自分のための人だ」
と思えるかどうかが勝負です。
- 何を解決できるのか
- どんな人をサポートしてきたのか
- どんな強みを提供できるのか
ここがクリアになると、安心して依頼されます。
■私の実例:「想い」が共感を生む
私は、セブンイレブンジャパンでの経営相談、
ITコーディネータ、
中小企業診断士としての歩みを続け、
その先に「起業支援」という天職にたどり着きました。
そして、港区の公的支援に携わる中で、
多くの起業家の葛藤や成長を間近で見てきました。
なぜこの仕事を続けられているのか?と聞かれたら、
「人の人生の転機に寄り添えることが嬉しいから」
と答えます。
この“想い”をプロフィールに書くようになってから、
相談者の質が明らかに変わりました。
人は、専門性よりも“理由”に共感します。
50代起業では、この力を最大限に使うべきです。
■プロフィールに入れるべき7要素
信頼されるプロフィールをつくるには、
次の7つを盛り込むことをおすすめします。
- 肩書き・専門領域
- 経歴の要点
- この仕事をする理由(ストーリー)
- 解決できる課題
- 過去の支援実績
- 提供しているサービス
- 価値観・ミッション
特に「3.理由(ストーリー)」があるだけで、
文章に命が宿ります。
■避けるべきNGプロフィールとは?
逆に、50代起業で“失敗するプロフィール”もあります。
① 専門性がぼやけている
「なんでもできます」は、何もできないと思われます。
専門を絞りましょう。
② 経歴をただ並べている
履歴書では共感されません。
必要なのは“物語”です。
③ 難しい言葉を使いすぎる
相手が理解できない表現は、信頼ではなく距離を生みます。
④ 長すぎる
読み手は1分以上集中できません。
長文の場合は、章分けが必要です。
■プロフィールは「育てるもの」
最初から完璧を目指す必要はありません。
むしろ、定期的に書き直して育てていくことが大切です。
私は、プロフィールを
3ヶ月に1回修正
するルールを決めています。
- 新しい実績
- 経験
- 気づき
- サービス内容
が変わるたびに、「今の自分」にアップデートしてきました。
プロフィールが更新されると、
不思議と仕事も前進します。
それは、
“文章を整えると、自分が整う”
からです。
■まとめ──50代起業で選ばれる人のプロフィールは「温度」と「物語」がある
信頼されるプロフィールには共通点があります。
- 専門が明確
- 物語がある
- 誰の役に立つかが分かる
- 文章に温かさがある
- 難しいことをやさしく説明している
50代は、若い起業家にはない“歩んできた人生の深み”があります。
それこそが最大の武器です。
経歴ではなく、経験を語る。
スキルではなく、人柄を伝える。
実績ではなく、使命を示す。
これが、50代起業に最も適したプロフィールの書き方です。
📘 次回は
第15回:「値付けの基本──“適正な価格”の決め方」
50代起業で最も悩む「値段」について、
後悔しない・自分を安売りしない価格設計の方法を解説します。
「起業に関心がある」方へ
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私は港区で日々、創業者の伴走支援を行っています。
もし「自分の想いをどう形にすればいいか分からない」「制度の使い方がよくわからない」といった不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

