第18回:サービスメニューの作り方
~“選ばれる人”のメニューには共通点がある~
■サービスメニューは“商品ではなく提案”である
創業相談でよくいただく悩みの1つが、
「サービスメニューがうまく作れません」という声です。
私はいつもこうお伝えしています。
サービスメニューとは、あなたの仕事の“提案書”である。
商品を並べるのではなく、
「相手の何を、どう解決するか」を見える化したもの。
50代起業では、商品の見た目よりも
安心感と分かりやすさが極めて重要です。
■① メニューは“3つ”に絞るのが基本
メニューが多すぎると、
お客様は選べなくなり、離脱します。
人が一度に比較できるのは最大3つ。
これは心理学の“選択のパラドックス”という考え方に基づいています。
最適な構成はこれです。
- ライト(入口)
- スタンダード(中心商品)
- プレミア(徹底サポート)
この構成にすると、
不思議なほど“スタンダード”が選ばれます。
(松・竹・梅の「竹」が最も売れる心理)
そして、
あなたが一番売りたいのはスタンダードであること
が重要です。
■② 「誰向けか」を明確にするだけで売れ始める
多くの50代起業家が陥るのが、
「誰でもOKのサービス」を作ってしまうこと。
しかし本当に選ばれるメニューは、
以下が明確になっているものです。
- 誰の
- どんな悩みを
- どの期間で
- どう解決するのか
例えば、
❌ 起業相談3回セット
⭕ 「50代の未経験からの起業」を3ヶ月で整理し、軌道に乗せるプログラム
❌ SNSサポート
⭕ 「SNSに苦手意識がある50代向け」の週1発信サポート
この“対象の明確さ”が、
50代起業の成功率を一気に上げます。
■③ 「期間」を入れると購入率が上がる
サービスに“期間”が入るだけで、
お客様の安心感が段違いに上がります。
例:
- 3ヶ月プログラム
- 6週間集中プラン
- 初月スターターパック
期間があると、
- ゴールが明確
- 費用対効果が判断しやすい
- 始める決断がしやすい
というメリットがあります。
50代の方は特に、
「終わりが見えるサービス」を好む傾向にあります。
■④ サービスの説明は“ストーリー形式”で書く
サービス内容を「箇条書き」だけで書くと、
固く感じられたり、伝わりにくかったりします。
そこで効果的なのが、
“ストーリー形式”で書く方法。
例:
✔ Before(悩み)
- 何から始めればいいかわからない
- 自信がない
- SNSや集客に不安
✔ Process(過程)
- 月に2回のセッション
- LINEで質問し放題
- 目標の設定と軌道修正
✔ After(未来)
- 方向性が明確に
- 最初の顧客が獲得
- 自分らしい働き方が見つかる
“Before → After”の流れを描くと、
お客様は「自分の未来」を想像しやすくなります。
■⑤ 「あなたらしさ」を入れると唯一無二になる
同じサービスでも、
選ばれるかどうかは
あなたらしさで決まります。
- 経験
- 考え方
- 価値観
- 過去の失敗
- 得意なこと
これらをメニューの文章に織り込むと、
他の誰にも真似できないサービスになります。
私の場合、
「起業 × 補助金 × コーチング × 50代支援」という組み合わせで、
自分だけの領域を作りました。
あなたにも必ず“掛け合わせの強み”があります。
■⑥ 「価格」よりも「価値」が先
価格設定の回でも触れましたが、
サービスメニューは
価値 → 価格の順で説明すること
が鉄則です。
よくある失敗は、
サービスの説明の前に価格を書いてしまうこと。
お客様は価格が先に来ると、
そこで思考が停まってしまいます。
正しい順番は、
- Before(悩み)
- After(得られる未来)
- 内容(何をするか)
- 期間
- 価格
この流れにするだけで、
成約率が大幅に上がります。
■⑦ 「よくある質問」を必ず入れる
50代の方は慎重です。
これは良いことです。
だからこそ、
サービスメニューには必ず
**FAQ(よくある質問)**を入れることで、
不安を事前に解消できます。
例:
- 相談はオンラインでも可能ですか?
- SNSが苦手でも大丈夫ですか?
- 分割払いはできますか?
- 他の仕事と両立できますか?
- 初心者でもついていけますか?
FAQは、お客様の安心度を一気に高めます。
■まとめ──サービスメニューは“あなたの人格を映す鏡”
売れるメニューの共通点は、以下の通りです。
- 3つに絞る
- 誰向けかが明確
- Before→Afterで伝える
- 期間を設定する
- あなたらしさを盛り込む
- 価格は最後に
- FAQを入れる
そして何より、
サービスメニューは、生きてきた時間の結晶である。
あなたの経験、価値観、人柄、使命。
それらを丁寧に編み込むことで、
唯一無二のメニューが生まれます。
📘 次回は
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