第21回:得意分野を“商品化”する考え方
~50代起業は「経験の編集」で勝てる~
■得意分野は“探す”ものではなく“気づく”もの
創業相談の場で、50代の方から最も多く受ける質問があります。
それは――
「私には得意なことなんてありません。」
しかし私は、こう答えています。
50代で得意なものがない人はいません。
ただ“まだ気づいていない”だけです。
若い頃のように、
- 経験の数
- 経歴の華やかさ
- 特別なスキル
で勝負する必要はありません。
50代起業は、
これまでの人生・経験・価値観そのものが商品になる
という特別なステージです。
■得意分野を見つける3つの視点
私は、相談者の得意分野を見つける際、必ず以下の3つを確認します。
■①「自然と人から頼られること」
得意なことは、意外と自分では“当たり前”に見えてしまいます。
だからこそ、周りの人の反応が重要です。
- 気づいたら相談されている
- 気づいたら頼まれている
- 気づいたら誰かの役に立っている
これらはすべて、あなたの“得意”です。
私は、創業相談・補助金・企画構築・文章化の相談を自然と引き受けていました。
それを“仕事になる”と気づいたのはずっと後のことです。
■②「苦にならないこと」
あなたが「普通だ」と思っていることは、
他の人にとっては「ものすごくありがたい」場合があります。
- 整理が得意
- 文章が書ける
- 話を聞ける
- よく気がつく
- 優しい
- 企画を考えるのが好き
50代起業では、こうした“普通の力”が最強の武器になります。
■③「人生で繰り返してきたこと」
得意分野は、必ず人生の軌跡の中にあります。
- 仕事で長く関わった分野
- ずっと好きだったもの
- 何度も人に喜ばれたこと
- 自然と学び続けてきたもの
これらは全て、
商品化できる素材です。
■“商品化”とは、経験を編集すること
得意分野そのものを売るわけではありません。
商品化に必要なのは、
編集する力 です。
編集とは、
あなたの経験を
- 誰に
- どんな形で
- どう役立てるか
という“カタチ”に落とし込むこと。
■商品化のテンプレート(使える黄金フォーマット)
私が相談者に必ず使う、商品化の型をご紹介します。
✔ ①「誰のために」(ターゲット)
例:
- 50代からの起業
- お店の店主
- 小さな教室の先生
- SNSが苦手な人
ここを明確にすると、一気に商品が形になります。
✔ ②「どんな悩みを」(課題)
例:
- 起業の方向性が決まらない
- SNSが続かない
- 売上の波が激しい
- 自信が持てない
“悩み”は商品化の中心軸です。
✔ ③「どう変えるのか」(未来・Before→After)
例:
- 自分の進む道が明確になる
- SNS発信が習慣化する
- 小さな収入が生まれる
- 自分の強みが言語化できる
未来を言語化すると、商品価値は一気に上がります。
✔ ④「何をするのか」(プロセス)
- セッション
- コンサル
- レッスン
- チャットサポート
- 記事添削
- ロードマップ作成
ここでようやく“内容”を説明します。
✔ ⑤「期間と価格」
50代起業に最も合うのは、
“3ヶ月”または“6ヶ月”です。
理由は、
- 変化に時間が必要
- 焦らない方が成長しやすい
- 継続支援でじっくり成果を出す
からです。
■50代起業で“売れる商品”は「あなたらしさ」の結晶
商品化の最も重要なポイントは、
あなたらしさがにじみ出ているかどうか。
同じ「起業支援」でも、
- あなたの人生視点
- あなたの失敗談
- あなたの価値観
- あなたの歩んできた物語
が入った瞬間、唯一無二のサービスに変わります。
50代だからこそ、
あなたの物語そのものに価値があります。
■商品化の成功事例(相談者の変化)
私が支援した方で、商品化によって人生が変わった例があります。
- 「話を聞くのが好き」だった女性が
→ 3ヶ月の“聞くチカラコーチング”を商品化し、毎月3名の継続クライアントを獲得 - “整理整頓が得意”な主婦が
→ 片付け×メンタルケアの独自商品をつくり月10万円の安定収入に - “趣味の釣り”を活かした男性が
→ 初心者向け“釣りデビュー講座”をスタートし人気に
特別なスキルではなく、
その人にとって“自然な力”を商品化しただけです。
■まとめ──あなたの人生は、商品になる
50代起業に必要なのは、
スキルではなく、経験の編集力。
- 自然と頼られること
- 苦にならないこと
- 人生で繰り返してきたこと
これらすべてが「得意分野」の源泉です。
あなたの得意は、あなたが気づいていないところにある。
その得意を“誰かの未来”のために編集する。
それが商品化です。
50代起業にしかできない、あたたかくて深い商品が生まれます。
📘 次回は
第22回:「価格設定の考え方──50代起業の適正価格」
高すぎず、安すぎず、あなたが疲れない“ちょうどいい価格”について解説します。
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