エスコンフィールドに学ぶ、また行きたくなる「場づくり」の力
先日、北海道のエスコンフィールドを訪れる機会がありました。
野球場というと、一般的には「試合を見る場所」というイメージがあります。
しかし、実際に訪れてみると、エスコンフィールドは単なる野球観戦の場ではなく、「そこに行くこと自体が楽しい場所」として設計されていることを強く感じました。
これは、飲食店や小売店、サービス業を営む小さな会社にとっても、とても参考になる考え方です。
商品やサービスだけでは選ばれにくい時代
今は、商品そのものの品質や価格だけで選ばれる時代ではなくなっています。
もちろん、商品やサービスの中身がよいことは大前提です。
しかし、それだけではお客様の記憶には残りにくいものです。
「楽しかった」
「誰かに話したくなった」
「また行きたいと思った」
こうした感情が残ることで、次の来店や紹介につながっていきます。
エスコンフィールドでは、野球観戦だけでなく、飲食、景色、写真を撮りたくなる場所、歩いていて楽しい導線など、さまざまな体験が組み合わされています。
つまり、「野球を見る」だけではなく、「一日を楽しむ」場所になっているのです。
お客様は“気分が上がる場所”を選んでいる
店舗ビジネスでも同じことが言えます。
お客様は、単に商品を買いに来ているようでいて、実はその場所で感じる気分を大切にしています。
入りやすい雰囲気か。
スタッフに相談しやすいか。
店内で過ごす時間が心地よいか。
誰かに紹介したくなる要素があるか。
こうした小さな積み重ねが、お客様にとっての「また行きたい」という気持ちにつながります。
大規模な施設のような投資は、小さな会社や個人店では簡単にはできません。
しかし、考え方は十分に応用できます。
小さな会社でもできる体験価値づくり
たとえば、次のようなことは小さな店舗でも取り組めます。
まず、お店に入る前から期待感が高まる外観や看板にすること。
次に、店内に写真を撮りたくなる場所や、印象に残る一角をつくること。
さらに、商品やメニューにストーリーを添えることも有効です。
「なぜこの商品を扱っているのか」
「どんな想いでこのサービスを提供しているのか」
「どんな人に喜んでほしいのか」
こうした背景が伝わると、商品は単なるモノではなく、お客様の記憶に残る体験になります。
また、接客の中でお客様の記憶に残る一言を加えることも大切です。
大げさな演出である必要はありません。
ちょっとした声かけ、商品の説明、帰り際の一言が、「また来たい」という気持ちにつながることがあります。
創業時こそ「場のコンセプト」を考える
創業計画を作るときには、どうしても売上、原価、家賃、人件費、資金調達などの数字に目が向きます。
もちろん、数字は大切です。
事業を継続するためには、資金計画や収支計画をしっかり考える必要があります。
しかし、それと同じくらい大切なのが、
「このお店に来たお客様は、どんな気持ちになるのか」
「どんな体験をして帰るのか」
「なぜもう一度来たいと思うのか」
という視点です。
商品やサービスの内容だけでなく、空間、接客、導線、情報発信、予約のしやすさ、来店後のフォローまで含めて、お客様の体験はつくられます。
創業時にこの視点を持っておくと、単に「何を売るか」だけでなく、「どのように選ばれるか」を考えることができます。
規模ではなく、考え方を学ぶ
エスコンフィールドから学べるのは、施設の大きさや投資額そのものではありません。
本当に学ぶべきなのは、お客様の気持ちを動かすために、空間、サービス、商品、導線、時間の過ごし方を総合的に設計している点です。
小さな会社でも、自社なりの「また来たくなる理由」をつくることはできます。
それは、特別な設備でなくてもよいと思います。
店主のこだわり、地域とのつながり、商品の背景、心地よい接客、ちょっとした驚き。
そうしたものが、お客様にとっての体験価値になります。
むしろ、小さな会社だからこそ、経営者の想いや個性を伝えやすい面もあります。
大企業のように大きな仕組みをつくることは難しくても、お客様一人ひとりに合わせた対応や、顔が見える関係づくりは、小さな会社の強みになります。
まとめ
エスコンフィールドを訪れて感じたのは、これからのビジネスでは「何を売るか」だけでなく、「どんな体験を提供するか」がますます重要になるということです。
小さな会社や個人事業であっても、体験価値を意識することで、お客様に選ばれる理由をつくることができます。
これから起業する方、店舗やサービスを見直したい方は、ぜひ一度、自分のビジネスについて考えてみてください。
お客様は、商品だけでなく、その場所で過ごす時間や気持ちも含めて選んでいます。
ハジメル合同会社では、創業計画や事業コンセプトづくり、店舗・サービスの見直しについてのご相談をお受けしています。
「自分のビジネスの強みをどう伝えればよいか」
「また来たくなるお店にするにはどうしたらよいか」
「創業計画にコンセプトをどう落とし込めばよいか」
このような段階からでも、お気軽にご相談ください。
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