昨日、「人生100年時代のキャリアデザイン」をテーマとしたセミナーに参加しました。
会社に入り、定年まで勤め、その後は引退する。そんな従来型の「一本道」のキャリアから、副業、起業、学び直し、新しいコミュニティへの参加などを組み合わせながら働く「マルチステージ」の時代へ。
登壇された皆さんのお話を聞きながら、これは決して他人事ではないと感じました。
私自身、長い会社員生活を経て、現在は中小企業診断士として独立し、自分の会社を経営しながら、いくつかの仕事や活動を組み合わせて働いています。
なかでも今回、特に自分自身の経験と重なったのが、次の3つでした。
1.何歳になっても「学び直す」
一つ目は、学び直しです。
会社員として長く働いていると、それまでの経験や知識には当然価値があります。しかし、会社を離れてみると、それだけでは通用しないことも少なくありません。
私自身も、中小企業診断士として活動を始めてから、マーケティング、Web、補助金、創業支援など、必要に応じて新しい分野を学んできました。そして今はAIです。
最近特に感じるのは、「これまで何をやってきたか」だけではなく、「今も何を学んでいるか」が大切だということです。
年齢を重ねるほど経験は増えます。一方で、その経験だけに頼れば、社会の変化との距離は少しずつ広がってしまいます。
だからこそ、学び続けることが、長く現役でいるための条件なのだと思います。
2.いきなり第二の人生を始めるのではなく、助走する
二つ目は、会社員のうちから次のキャリアの準備をしておくことです。
セミナーでは、「会社員というスポーツと、経営者というスポーツは違う」という話がありました。
これは非常によく分かります。
会社の看板、組織、予算、信用がある中で仕事をすることと、一人で仕事を取り、価値を提供し、その対価をいただくことは全く違います。
私は結果的に、会社員としての仕事だけでなく、中小企業診断士という資格を取り、外の世界との接点を作ったことが、その後のキャリアにつながりました。
定年の日を境に、突然「さて、これから何をしよう」と考えるのでは遅い。
副業でも、資格取得でも、地域活動でもいい。
会社員という本線を走りながら、小さな支線を一本ずつ作っておく。
その支線が、やがて次の本線になることがあります。
人生100年時代には、この「助走期間」を持つことがとても重要なのだと思います。
3.会社の外にコミュニティを持つ
三つ目は、新しいコミュニティに入ることです。
これも自分自身を振り返ると、とても大きかったと思います。
長く会社にいると、人間関係の多くが会社を中心に形成されます。しかし会社を離れれば、役職も会社名もなくなります。
そのときに残るのは、「自分は何ができる人なのか」ということと、会社とは関係なくつながっている人たちです。
診断士の世界、創業支援の現場、地域の仕事、研究会、そして最近ではAIをテーマにした活動など、私自身もいくつものコミュニティに関わるようになりました。
面白いのは、そこで自分より若い人たちと一緒に仕事をしたり、教えてもらったりする機会が増えたことです。
シニアになると、「自分の経験を若い人に教える」という発想になりがちです。
しかし本当は逆で、若い世代から学ぶこともたくさんあります。
これから目指したいのは、過去の肩書きを語るシニアではなく、20代、30代、40代、50代の現役世代から「一緒に仕事をしたい」「ちょっと相談したい」と思ってもらえるシニアです。
これからの5年、10年をどう働くか
私は現在63歳です。
今回のセミナーを聞きながら改めて考えたのは、「もう63歳」ではなく、「まだこれから5年、10年と仕事をする可能性がある」ということでした。
そう考えると、キャリアは完成しているのではなく、まだ途中です。
学び直す。
小さく新しい仕事を始める。
新しいコミュニティに入る。
そして、これまでの経験と新しく身につけたものを組み合わせて、自分なりの仕事を作っていく。
「人生100年時代」という言葉は少し大げさに聞こえることもありますが、今回のお話を聞いて、私にとってはかなり具体的なテーマになりました。
これまでのキャリアを守るのではなく、これまでの経験を材料にして、次のキャリアを作る。
私自身も、これからの5年、10年をそんな時間にしていきたいと思います。

