「好きなことを“嫌いにならない起業”のすすめ
「好きなことを仕事にしたい」
これは起業相談で、最も多く耳にする言葉の一つです。
でも同時に、こんな不安もよく聞きます。
「好きだったのに、仕事にしたらしんどくなった」
「収益を気にしすぎて、楽しめなくなった」
「やりたくないことも増えて、モチベーションが下がった」
“好き”を“仕事”に変えるとき、なにが起こるのか。
今回は、好きなことを続けながら、事業として成り立たせていくための考え方をお伝えします。
好きなことが仕事になると起こる3つの変化
① 評価されることが前提になる
→ 自分の満足よりも、「お客様の満足」が優先になる。
例.
・趣味で作っていたハンドメイド作品 → クレーム対応が発生
・「自分らしさ」を出したいブログ → SEOや集客導線が必要に
② “やりたいこと”以外の業務が増える
→ 会計、営業、集客、納期、SNS更新など、「好きな作業」以外に割かれる時間が増える。
③ 「数字」に追われる場面が出てくる
→ 楽しさ・情熱だけでは継続できず、「売上」「経費」「利益」といった現実に向き合う必要がある。
好きを仕事にするために大切な視点:4つのバランス
視点 | 意味 | チェックポイント |
好き | 続けていたいと思えるか | 寝ても覚めても考える?やっていて疲れない? |
得意 | 他人より少し上手いか | 「これならお願いしたい」と言われる? |
ニーズ | 世の中が求めているか | どんな人が欲しがっている?誰の悩みを解決? |
売上 | お金に変えられるか | どんな仕組みで収益化する?リピート性は? |
この4つが重なるところに、**“好きで、継続可能なビジネス”**が生まれます。
実例紹介:イラストが好きな50代女性の場合
スタート:
・子育てを終え、昔から好きだったイラストを学び直す
・最初は趣味の範囲でSNSに投稿
・周囲の反応が良く「これを仕事にできないか」と相談に
支援内容:
・イラストを使った「似顔絵名刺サービス」を企画
・LINE公式アカウントと簡易HPで受付フォームを設置
・最初は「モニター価格」で販売 → 実績をSNSで紹介
・Wordでの納品方法や印刷所との連携もサポート
結果:
・3か月で10件以上の依頼を獲得
・「売ることが怖くなくなった」「好きなことを通して、人とつながれて嬉しい」との声
続けるコツは「嫌いにならない工夫」をすること
好きなことを仕事にする最大のリスクは、**「好きなことを嫌いになってしまうこと」**です。
だからこそ、以下の3つを意識しましょう。
① 時間配分を工夫する
→「売上を上げる仕事」「好きな仕事」を分けてスケジュールに組み込む。
② “人の反応”との距離を取る
→ SNSの「いいね」や評価に振り回されない設計に。料金体系やサービス内容は、自分で納得して決める。
③ 仲間をつくる
→ 同じように「好きなことで起業」した人とつながることで、気持ちの波をシェアできる。
港区でのおすすめアクション
港区立図書館や文化センターで「作品展示」から始める
SHIBAURA HOUSEや港区主催のイベントで“仲間”と出会う
創業アドバイザー制度を活用して、収益化までのステップを設計する
まとめ:「好き」のまま、続けていくために
起業とは、「好きなことに値札をつける」行為。
だからこそ、自分にもお客様にも**“誠実でいられる形”を探すことが大切**です。
その結果、
・好きなことを、もっと好きになれた
・やりたいことを、誰かの役に立てた
・収益もついてきた
そんな“循環する事業”が生まれます。
▶︎ 「仕事にしたいけど迷っている」方へ
趣味や特技をどう活かすか分からない
売り方・届け方・値付けに自信がない
好きなことを“壊さず”に事業にしたい
そんなお悩みに、創業アドバイザーとして一緒に伴走します。
必要なのは、「少しの整理」と「最初の一歩」です。
私は港区で日々、創業者の伴走支援を行っています。
もし「自分の想いをどう形にすればいいか分からない」「制度の使い方がよくわからない」といった不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。