第11回:ロイヤリティの仕組みを深掘り──どの方式が最も得なのか
フランチャイズの収益を語る上で、最も理解しておくべきもののひとつが ロイヤリティ です。
ロイヤリティとは、本部のブランド・仕組み・教育・物流・広告・ITシステムを利用するための対価です。
決して「取られるお金」ではなく、成功の仕組みを利用するための投資と捉えるべきものです。
しかし、ロイヤリティの方式はブランドによって大きく異なります。
どの方式が良い・悪いではなく、自分の参入業界と立地条件に適した方式を選ばなければ、経営に大きな差が生まれます。
ここでは代表的な3つの方式を解説します。
① 売上歩合方式(売上の○%を支払う)
最も一般的な方式です。
例:売上の5~10%
メリット
- 売上が大きく伸びれば、本部のサポートも手厚くなる
- 初期投資の回収スピードが読みやすい
デメリット
- 原価が高騰しても支払額は変わらない
- 忙しいのに利益が残らないという状況になりやすい
向いている業態
美容・サービス・高粗利業態(利益が残りやすい)
② 粗利分配方式(粗利を本部と分け合う)
コンビニに多い方式です。粗利の一定割合を本部に支払います。
メリット
- 売上より利益を重視した設計になり、収支が安定する
- 本部が廃棄・人件費など利益改善に本気で取り組む
デメリット
- 仕組みが複雑で理解には時間がかかる
- 原価・廃棄管理が経営の肝になる
向いている業態
コンビニ・食品小売・物流インフラ型
③ 定額方式(毎月一定額)
毎月定額のロイヤリティを支払う方式。
メリット
- 売上が伸びるほど実質負担率が下がる
- 収益構造がシンプルで資金計画が立てやすい
デメリット
- 開業初期の売上が弱いと負担が大きい
- 本部の支援が薄くなる場合もある
向いている業態
個別指導塾・フィットネス・学習系など予測性が高い業態
結論:損得ではなく「事業と立地に合うか」で判断する
ロイヤリティの比較は、金額だけで決めると確実に失敗します。
必ず次の質問をしてください:
- なぜその方式を採用しているのか?
- 直営店の収益モデルではどうなっているのか?
- 売上が下がった時と上がった時のシミュレーションは?
この質問に明確に答えられない本部は避けるべきです。
まとめ
ロイヤリティはコストではなく、成果を生むためのパートナーシップ費用
重要なのは、支払う額ではなく、
その費用でどれだけ利益を増やせるのか です。
次回 第12回 は、
「店舗経営の命:人件費とシフト管理の考え方」
についてお伝えします。
続けて進めてよろしいでしょうか?第10回:フランチャイズの収益構造を理解する──売上・利益・ロイヤリティの関係
フランチャイズ起業を検討するうえで最も重要なのは、収益構造を正しく理解することです。
売上が大きい=儲かるわけではありません。
実際に経営を左右するのは 利益(手元に残る現金)です。
私はセブン‐イレブン時代、売上は高いのに資金繰りが苦しい店舗を何度も見てきました。
理由は、収益構造を理解しないまま加盟してしまったからです。
フランチャイズ収益は、次の構造で成立しています。
① 売上(総収入)
店舗が生み出す総収入です。
客数 × 客単価で構成され、商圏人口、立地、競合に大きく左右されます。
「売上が上がっている=儲かる」ではない点に注意が必要です。
② 売上総利益(粗利)
売上から仕入原価を引いた金額です。
粗利の高さは業種によって差があります。
一般的には次のようなイメージです:
| 業態 | 粗利率の目安 |
|---|---|
| 小売(コンビニなど) | 約25~35% |
| 飲食 | 約60~70% |
| サービス業(塾・美容等) | 約80~90% |
粗利が高いほど、店舗運営に使えるお金が多くなります。
③ 営業利益=利益の本体
粗利から以下の費用を差し引いたものが、本当の利益です。
- ロイヤリティ
- 人件費
- 家賃
- 水道光熱費
- 廃棄ロス
- 広告宣伝費
- 消耗品
売上が高くても、これらのコスト管理が甘いとすぐに赤字になります。
つまり、フランチャイズ加盟者が最も向き合うべき数字は 売上ではなく営業利益 です。
④ ロイヤリティの理解は必須
ロイヤリティは、本部のブランド力・教育・物流・システムなどを使用するための対価です。
形態には以下があります:
- 売上歩合方式(例:売上の○%)
- 粗利分配方式
- 定額方式
形だけで比較するのは危険です。
自分の業態・立地でどの方式が有利か、数値シミュレーションすることが重要です。
まとめ
フランチャイズは売上で判断するのではなく、利益と収益構造で判断する。
収益を理解せずに加盟すると、
「忙しいのに儲からない」「働いても現金が増えない」状態になります。
説明会では必ず次の質問をしてください:
- 直営店の営業利益はどれくらいか?
- ロイヤリティ方式の根拠は?
- 粗利率はどれくらいで、改善施策はあるか?
数字の理解こそ、成功への最短ルートです。
次回 第11回 は、
「ロイヤリティの仕組みを深掘り:どの方式が最も得なのか」
を解説します
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